あと1ヶ月半もすると、大人のおさらい会「陽だまりの音楽会」が開催されます。
こじんまりした、ごくごく少人数の会ですが本番は本番、出演者の皆さん緊張感を持って準備を進めています。
私は何を弾くか…
ずっと決めかねていました。
ボランティア演奏などでは弾きたい曲というよりニーズにあった曲を選びます。
でも発表会等では、自分の気持ちにフィットした曲をなるべく選ぶようにしています。
今回新しい曲をさらう時間と気力が無いように思い、
今まで譜読みした曲を色々検討していました。
そんな時突然思い出した曲…
エルガーの「愛の挨拶」です。
一昨年の陽だまりピアノ教室の発表会の際、講師演奏で弾きました。
体調が悪かったことを差し引いても、ハッキリ言って良くない演奏でした(>_<)
実はこの曲、その時々によって出来不出来にかなり落差があり、
良い時は良いのですが、ダメな時は本当に落ち込むくらい…
特にコンサートや発表会、勉強会などの改まった場では上手くいかないこともあり、
しばらくこの曲から遠ざかっていました。
楽曲として魅力的なのですが、私にとってはどういう訳か魔物の住む曲みたいです。
この曲は技術的には全然難しくはありません。
ただ、表現するということに関しては、私にとっては難しいです。
音楽があまりにも純粋過ぎて、なんだか自分の心を丸裸にしなきゃ弾けないような…
本気で音楽に入り込まないと弾けない曲です。
この曲に対しては恐れに近い気持ちを持っていた気がします。
昨年末に、私にとって大きな大きな出来事が起こりました。
プライベートなので詳細は省きますが…とにかく大きなことでした。
その事実を受け入れられない中、この「愛の挨拶」を改めて聴いてみて、心が揺さぶられて涙が止まりませんでした。
同時に「ああ今なら、弾けるかな…」と思いました。
「有名だから」とか「譜読みしやすいから」とか、そういう理由ではなくて
この音楽を心から感じ、表現したいと思える今なら…少しはマシな演奏が出来るかな?と。
感傷的な、少々独りよがりな演奏になってしまうかもしれませんが、
試験ではないし、たまにはそういう方向性で練習してみるのも良いかもしれませんね。
音楽はそもそも、心の叫びや祈りといったものを表現するものです。
だから思いっきり自分の心にあるものを吐露するので良いんです。
陽だまりの音楽会、先生としてではなく、出演者の一人として…
今の自分に出来ることをしていきたいと思います。