一年を振り返る時期になりました。
本音は愛犬ナッツのことばかり思い出していますが…
(晩年のナッツ)
でも悲しいばかりの一年というわけではなく
素晴らしいこと、感動すること、楽しいこともありました。
もう10ヶ月前ですが書き残しておきたいと思った出来事を。
2月12日上野水香オン・ステージ、東京公演千秋楽です。
所属の東京バレエ団を45歳で定年退職なさる前の、プリンシパルとしてのラストステージでした。
(現在はゲスト・プリンシパルとして活動されています。)
上野水香さん、実は牧阿佐美バレヱ団に在団なさってる頃にロッカールームで、
私が大学時代に間近で拝見したことがあるのです。
あちらはバレエ団のスター、こちらは大人の趣味のクラスの生徒でしたので、もちろんお声をかけることなど出来ませんでしたが、
強烈なオーラ、特別な個性の持ち主、唯一無二の存在だと感じました。
東京バレエ団に移られ、日本人女性で唯一ベジャール振り付けの「ボレロ」を踊ることを許され…
でも私それを観た事ない!観ないと!と奮い立ち、チケットを押さえて東京文化会館に赴きました。
パートナーのダンサーさんが直前に怪我するなどアクシデントもあったようですが、
水香さん渾身のプログラムを堪能して、
ラストはお楽しみのボレロ。
一部の隙もない精緻な踊り、その内に踊りに血が通い出し、血が次第に煮えたぎり…
最後はもう命の爆発です。
すごいものを観たと衝撃を受けました。
命の輝きを見た気がしました。
余韻に浸りながら帰りました。
この百合ヶ丘に越してきて10年
悲しい別れもいくつかありました。
私も人生の折り返し地点をおそらく曲がってますので
この先の人生を考えてしまいます。
でもどんな人生(犬生も)でも
とてつもなく美しいんだ、と思えた
水香さんのボレロはそんな踊りでした。
来年はどんな人に会えるだろう、
どんな芸術に触れられるのだろうと、
思いを馳せながら年越しの準備をする日々です。