1月も後半になりましたね。

生徒さんも3名になり、とても楽しくレッスンさせてもらっています。

今のところ3名全員二段階導入法の導入段階、

つまり所謂「ピアノのおけいこ」には入っていません。

二段階導入法にご理解をいただき、大切なお子さんのお稽古先として選んで頂けて

ただただ感謝でいっぱいです。

そもそも二段階導入法との出会いは図書館で見つけた一冊の書籍。

樹原涼子先生の『ピアノを教えるってこと、習うってこと』を読んだ事が全ての始まりです。

いちいち頷けること、納得することばかりでした。

でも一つ納得いかないのが「最初はピアノを弾かない」という事。

にもかかわらず、どうしても気になり楽器店で『プレ・ピアノランド1』を手に取ったのですが・・・

「この本は本当に良い教材だがしっかり勉強しないと使えない!」

と思ったのです。

ちょうどピアノ指導に悩んでいたこともあり、

樹原先生に直々に教えていただける「ピアノランドマスターコース」を受講し始めたのです。

素晴らしい指導法に感嘆する一方で、どうしても二段階導入法を実践する勇気が出ない・・・

プレピアノランドの課題を普段のレッスンに取り入れたり、

他の教材と併用したりするのがやっとでした。

そんなある日、事件(?)が・・・

私が以前住んでいた地域の生徒さん、しかも優秀なお子さんが、

1の指(親指)がどうしても上手に弾けない。

優秀なのでどんどん曲は進むのに

1の指のせいで仕上がらない。

やむを得ず私はかなり曲が進んでいた彼女に

『ピアノランド1』の『どどどどどーなつ』や『さらさらおがわ』を練習させました。

彼女の気持ちを思うと、複雑でしたが仕方なかったのです。

子供なりにプライドがあります。

基礎に立ち返るのは苦痛だったと思います。

時間と労力をかけて、なんとか1の指は上手になりましたが、

優秀で努力家な彼女に1の指への苦手意識を植え付けてしまいました。

本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。m(_ _)m

彼女以外にも、私が基礎をおろそかにしたばかりに曲が進んでから苦労してしまった子、

他のピアノ教室から移ってきて、譜読みが出来ない子、フォームが崩れている子、自分が何を弾いているか分からず指だけ動かしている子・・・

樹原先生が訴え続けてきた二段階導入法の重要性が徐々に身に沁みてきました。

 

転居し新しいピアノ教室を開くにあたり、決意した事が

「基礎を端折らず大事にすること」。

月並みな言い方ですが「急がばまわれ」なんです。

一時の表面上の成長を大事にするのか、

時間はかかっても「本物の力」を大事にするのか・・・

私は生徒さんには「本物の力」をつけて貰いたいです。

なぜなら一生ピアノを弾いて欲しいから。

進学などでお稽古を続けられなくなっても、

自分でピアノを弾き続けられるように、

着実に力をつけて欲しいから・・・

 

そういう訳で、今は基本的に二段階導入法でやらせて貰っています。

多くの方にご賛同いただけ嬉しいと思います。

 

苦い思い出・・・二段階導入法を取り入れたきっかけ