とても久しぶりに視覚障害者のレッスンについて・・・
現在他教室で、視覚障害者の生徒さん(1名)のピアノ指導を受け持っています。
私は音楽療法を学んだわけでもなく、特別支援校で働いた事があるわけでもなく、
知識も経験もありませんでしたが、必死に手探りで・・・なんとかレッスンのスタイルが確立してきました。
現在は「点字教材」と、CDを作ったりメールで音源を送るなどの「音源教材」の2本立てでやっています。
点字教材は私自身が点訳楽譜の書き方の初歩を学び、手打ちで作っています。
作っているのは主に「バーナム」や「ピアノランドテクニック」など単純なテクニックの為の曲です。
音源教材は私の演奏を録音した物を使っています。
主にレパートリー曲は音源でやっています。
なぜ使い分けているかというと・・・
点訳楽譜は、生徒さんの自立の為に初歩だけでも読めた方が良いと思います。
音源教材は作る人を探さなければなりませんが、
点訳楽譜は既に作成してくれるボランティア団体があり、
レッスンを続けられなくなっても自分でそういった団体に依頼して入手が可能です。
いざとなれば独学でピアノが続けられます。
ただ点訳楽譜はとても複雑です。
ただ音を読むだけなら良いのですが、様々な記号が混じると・・・
読み方のレクチャーだけで時間が過ぎてしまいます。
その時間があるなら沢山曲を弾いた方が上達します。
点訳楽譜を読むの極めるのは早くても小学校高学年・・・
うーん、中学生になってからで良いかな、と思っています。
という訳で細かいアーティキレーションやダイナミクスのニュアンスなどは
音源教材で学んでもらってます。
どちらが自分に向いているか、時間をかけて生徒さんに選んでもらうのも良いかなと思います。
あと最近はしませんが・・・
一時期は童謡など耳慣れた曲を好きなように伴奏づけするレッスンもしていました。
まずハ長調の主要三和音と属7の和音(C,F,G,G7)を教え、また典型的な伴奏形も習得させ、
「メリーさんの羊」や「ちょうちょう」などの簡単な曲に好きに、但し和声的には正しく伴奏を弾く。
必ず「2~3種類考て弾く」という宿題を出しましたね。
伴奏形によって曲の雰囲気が変わるのを体験してもらいました。
簡単な移調もやりました。
「教え込む」のではなく決められた枠の中で「好きに弾く」レッスンなので
とても楽しそうでした。
これは楽譜を必要としないので、とてもスムーズに進んだ方法でした。
今受け持っている生徒さんのレッスンを始めたころは
私はまだ「ピアノランドメソッド」に出会ってなかったので、
導入レッスンを視覚障害者の方に指導した事はありません。
でも今後機会があれば、そして生徒さんや親御さんに御理解いただけるのであれば、
導入レッスンから始めたいな、と思っています。
現在の生徒さんにも折に触れて脱力のための体操やタッチポイント、リズムボールなど
少しずつ取り入れてレッスンしています。
まだまだ手探りは続きますが・・・
生徒さんが続けてくれる限り、生徒さんに合った方法を模索し続けようと思います。