先月、とある会場で歌の伴奏のお仕事でした。
久々にコンサートホールで伴奏…緊張しました。
前日には一人でこっそり(?)ホール練習♪
限定された日時ですが、格安で立派なホールとフルコンサートピアノが使えて感謝です!
広い空間での響き、フルコンの感覚を事前に経験できてありがたかった!
本番は…少し悔しく、申し訳ない部分もありましたが、
大過なく、勤めを終えました。
コンサートホールで素晴らしい歌い手さんとの演奏、素敵な本番でした。
また先日は、師匠の門下生発表会前の勉強会で
これまたフルコンサートの、しかもスタインウェイを弾きました。
小さな空間でしたが、先生と門下生の皆さんの温かい雰囲気のもと
楽しく演奏できました。
ピアノの演奏はまさに「一期一会」です。
まず楽器との一期一会。
ピアノ弾きは通常自分の楽器を持ち運びません。(巨匠クラスは別です)
また調律も自分ではしない場合が殆ど。
その場にある楽器で、そのままの状態でパフォーマンスするのです。
リハーサル無しの一発本番の場合、最初の1ページはピアノの状態を把握するので終わってしまうこともしばしば(^^;
楽器の状態を把握した後はある程度「楽器に委ねる」事が大事。
自力でなんとかしようとすると大抵自爆します(>_<)
ピアノという楽器と真摯に向き合い、受け入れる事が必要なのです。
次に空間との一期一会。
これはどの楽器も一緒ですが、どんな会場で演奏するかで響きが変わってきます。
音がやたらと反響する場所もあれば、絨毯敷きなどです吸音が凄まじい場所もある。
また客席には響いているけれど演奏者にはよく音が聴こえない、というケースも多い。
湿度や温度の影響も大きいです。
この場合も空間と喧嘩してがダメ。
自分が溶け込む、空間の一部になるくらいの謙虚さと順応性が大事です。
そして聴衆との一期一会。
本番は聴く人がいて初めて成り立ちます。
ほとんどの場合、その場に集まるのと全く同じメンバーが再び集結するという事はありません。
その時その場だけの集まりなのです。
また、演奏する本人の状況も日々変わるので、
その日のその時間の自分の演奏を聴いてもらえるのは最初で最後なのです。
お客様と向き合い、コミュニケーションをとる、
それが演奏の真髄じゃないかな?
良く言う「お客さんをカボチャと思えば…」というのはどうかと思いますね(^^;
ピアノと、会場と、聴衆との一期一会。
それをどこまで楽しめるか、味わえるか。
今月下旬にも本番があります。
一期一会を大事に演奏したいと思います。