今年も残り少なくなりました。 時間は無いのにすべき事が山積みです・・・ さて今日はコンサートのレポートです。 去る12月26日(金)の夜にカワイ表参道に行ってまいりました。 千葉県でピアノ教室を開いてらっしゃる白石照男先生とそのお弟子さんの ジョイントコンサートを聴くためです。 白石先生は視覚障害を始め、様々な障害を持つ生徒さんを数多く教えていらっしゃい ます。 また、ピティナのステップなどでも大活躍されています。 私は先生との面識は全くありませんでしたが、 先生のブログや視覚障害者の生徒さんへのレッスン風景をYouTubeで見たりして、 ずっと前から自分のレッスンの参考にさせて頂いていました。 2年ほど前、初めて全盲の生徒さんを受け持つ事が決まった時 人生で一番「どうして良いか分からない!!」状況に陥りました。 そんな時知った白石先生のピアノ指導・・・ ネットを通してでしたが、様々なヒントを与えられ本当に救われました。 ずっと行きたいと思っていたジョイントコンサート。 私の受け持っている生徒さんとご家族もお誘いして行きました。 出演者は門下生の中西良輔さん(全盲)と武田史明さん(自閉症)のお二人と白井先 生。 [プログラム] 中西良輔 グリーク:抒情小曲集より「アリエッタ」「春に寄す」「蝶々」 ショパン:ノクターン第2番 変ホ長調OP.9−2 ショパン:変奏曲 イ短調「パガニーニの想い出」CT229 ショパン:ポロネーズ第2番 変ホ長調OP.26−2 白石照男 ショパン:ノクターン 嬰ハ短調(遺作)〈ヘンレ版〉 リスト:献呈(シューマン) ラフマニノフ(Zoltan Kocsis編曲):ヴォカリーズOP.34−14 武田史明 ラフマニノフ:幻想小曲集OP.3より「鐘」 ラフマニノフ:プレリュード ト短調OP.23−5 ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調OP.27−2「月光」 武田史明/中西良輔(連弾) モーツァルト:アイネクライネナハトムジーク ト長調 K.525第1,2楽章 シューベルト:三つの軍隊行進曲より 第1番 OP51.D733 中西さんは一音一音がとても美しく、響きを大切になさるピアニスト。 透明感と抒情感あふれる演奏でした。 跳躍など全盲の方には多少難しい箇所も「意志」を感じる音でした。 武田さんは力強い演奏。 ラフマニノフのプレリュードや、月光の第3楽章などカッコいい弾きっぷりでした。 音楽が素直で共感できました。 お二人の連弾も盛り上がって楽しかったです。 白石先生はとても優しい音楽を奏でる方でした。 リストの献呈はシューマンの原曲も大好きなのですが、 こんなに優しいリストは聴いた事がない!と感動しました。 私の生徒さんもピアノに合わせて手を動かしたりして 堪能してくれたようで嬉しかったです。 特に中西さんの演奏は、励みになったと思います。 今回の演奏会、無料の発表会ではありません。 きちんとした会場で料金を払って聴くものです。 聴く方も本気、演奏する方も本気です。 双方が本気だからこそ、緊迫した空気の中で良いものが産まれ聴衆にも伝わる、 その結果、聴衆も満足し、出演者への理解が深まるのだと思いました。 終演後・・・ 白石先生に初対面ではありますがご挨拶させていただき、名刺もお渡ししました。 メチャクチャ緊張しましたが お疲れにも関わらず、お優しく接していただきました。 実は私、全盲の生徒さんを教え始めて2年たった今でも手探りで精一杯、というのが 本音です。 生徒さんもご家族も本当に私に対して理解があり優しくて良くしてくださいますが 指導に関しては、孤独です。 もしまた、どうして良いか本当に分からなくなってしまったら・・・と思うと怖いで す。 でも今回白石先生にご挨拶出来たことで、 どこか安心できたというか、孤独感が薄れるのを感じました。 健常者にも障害者にも、良い指導をしたい! そのためにも人との繋がり、ご縁を大事にし、 沢山の方のお力を借りてレッスンの質を高めていきたいと思います。
白石照男と門下生によるピアノジョイントコンサートVol.3