明日から新しい年のレッスンが始まります。
心の痛むことが多いですが、今いる場所で精一杯自分の本分を全うしようと努めます。
さて年末に「これは一年通して毎日読もう」と思える良著と出会いました。
ジョゼフ・レヴィーンの『ピアノ奏法の基礎』です。
中村菊子さんの翻訳です。
実は買ったのは数年前なのですが積読になっていました(お恥ずかしい…)
今回読んでみて、
「なんて分かりやすく、そして大事なことが沢山書かれているんだ!」
と感動してしまいました。
その昔アメリカの音楽誌に連載されていた文章が1924年に単行本になったもの
つまりとっても古ーい文章ですが、
私が大学の恩師、大学の前後に習った亡き恩師、ピアノランドの樹原涼子先生、そして現在の師匠に教えていただいてきたことが間違いなかったのだと確信するとともに、
先生方はこういうことをおっしゃっていたのか〜と納得することばかりです。
まさに「基礎」、当たり前の事が書かれている。
でも当たり前がなかなか実行できないのが、人の常ですよね。
これは毎日一部ずつ読んで(全体が第六部に分れています)常に内容を頭に入れておきたい、
読むたびに自分を戒めたい、と思いました。
まさに「バイブル」ですね。
この「ピアノ奏法の基礎」を子供用に噛み砕いてまとめたのが
「プレ・ピアノランド」なのではないかと思ったほどです。
この機会にもう一度「プレ・ピアノランド」を研究し直してみたいと思います。
ちょっと話が飛びますが、
江戸時代の茶人に小堀遠州という人がいました。
遠州は「書捨の文」という文章を残したのですが、
この文章も気取らず分かりやすく、当たり前の事ばかり、
しかし全てをきちんと実行するのは難しい、そういった茶道の極意が書かれています。
「ピアノ奏法の基礎」はまさに遠州の「書捨の文」と通ずるものがあるなと感じました。
教室開講から10周年の本年、
この本を道標に、もう一度きちんとピアノに向かい合えればと思います。
明日からのレッスン、皆さんお待ちしています♪