昨年の秋、手術をする前に
「退院後の楽しみに!」とチケットを早々に買っていたオペラ、
日本オペラ協会公演「静と義経」を
去る3月9日に鑑賞いたしました
指折り数えて待っていたオペラ
公演は2日間でどちらのキャストも魅力的だったのですが、
静役を相樂和子さんで観たい!という理由で2日目の方を選びました。
相樂さんの他も、比較的お若くこれからが楽しみなオペラ歌手の方々が多くキャスティングされていました。
東京文化会館大ホールの
最上階!中央ブロックど真ん中の一列目!
とってもお安く、かつ眺めも音響も良い席を取れて嬉しかった
日本語のオペラに関しては
アリア単体で聴いたり、
小規模な構成の「しばはま」「泣いた赤鬼」は鑑賞経験があり、
またオペラとは微妙に違いますが高田三郎作曲の「無声慟哭」は聴いたことがありました。
でもこのように規模が大きい、文字通り大作オペラの全幕鑑賞は初めての経験、
どんな感じかなと楽しみにしていました。
演者さん達の日本語歌唱がそれはもう見事で、
一応字幕も出ていましたが、字幕なしでも言葉がきちんと伝わり、
尚且つ大きなホールの隅々まで届くオペラ歌手ならではの声の響き、
日本語オペラも進化していますね、嬉しいです
平安末期〜鎌倉初期を舞台にしたお話
史実を元にしていますが、かなりキャラクター設定が尖っている部分もあり、
「史実をベースにしたフィクション」というのが分かりやすかったです。
ヒロインの相樂さんは、日本オペラ振興会の終了公演を拝見した際
「フィガロ〜」の伯爵夫人を演じられていて、とても強く印象に残ったソプラノ歌手です。
今回の静も、美しくて儚い中にも力強い歌唱で圧倒されました
特に子守唄のシーンは凄かった…
経歴を拝見すると民謡を元々なさっていたのですね、納得です。
男性歌手では弁慶役、バリトンの杉尾慎吾さんがお見事でした。
歌唱も演技も素晴らしいですが、立ち姿が目を引きます。舞台人として素晴らしい。
オーケストラの中に鼓と二十絃箏が組み込まれていて、その溶け込む様が美しく聴こえました
まさに和と洋の融合ですね、言うは易し行うは難しだと思います。
三木稔さんの楽曲、なかにし礼さんの言葉、全てが心に染み込んで行きました
邦人作曲家の作品がこのように素晴らしく上演されて誇らしいですね。
熱気に包まれた東京文化会館を後にしました。
帰りながら、「このオペラは邦人作品の演奏や指導の参考になるなぁ」と考えていました
今月末の発表会でも、邦人作曲家のクラシック作品を演奏する生徒さんがいます。
私も邦人作曲家の作品、楽譜だけは集めていてなかなか着手できていない状態…
でもこのオペラに刺激を受けましたので、自分自身もどんどん弾いていきたいと思います。